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「鬼ヶ島から」

「鬼ヶ島から」

平成16年5月29日 
静岡新聞 夕刊コラム「窓辺」第9回 

末吉暁子 
 

半年に一度刊行している同人誌「鬼ヶ島通信」が、もうすぐ出来てくる。

全国に定期購読の会員が800人ほどの小雑誌ながら、次号で通算43号。創刊以来22年目だ。

40歳になるかならないかの意気軒昂な頃、気のあった編集者や画家と雑談中、何か面白いことをしたいねと盛り上がったのが始まりだった。佐藤さとる先生を旗頭に7人で創刊した。それぞれ本業を抱えて忙しかったが、それ以上に自分たちで好きなように書いてみたい、雑誌を作ってみたいとう思いが強かったのだと思う。

創刊当時は気づかなかったが、同人は全員どこか角を隠し持った鬼っ子ばかりだった。今ではすっかり鬼爺鬼婆で、角もかどが取れて丸くなった、というより磨耗してしまったが…。

ともかく私はこの雑誌のおかげで未知の分野に挑戦し続けることができた。初めてのリアリズム長編『ママの黄色い子象』、古代を舞台にした長編『地と潮の王』、座敷童子を主人公にしたファンタジー『雨ふり花さいた』。どれも「鬼ヶ島通信」に連載したものだ。

15号からは、新人の作品募集も始めた。入選者の中からは、すでに何人も作家デビューを果たしている。

もちろん、鬼ヶ島存続の危機も何度か訪れた。経済的な危機、人間関係の危機。同人も何人か入れ替わった。そうこうしているうちに編集者たちは、みんなえらい肩書がついて超多忙になった。それでも、誰もやめようといわない。

数年前には、熱心な読者が「鬼ヶ島通信」ファンサイトのホームページまで作ってくれた。おかげで購読希望者も絶える事はない。ありがたい事だ。


~~あとがき~~


鬼ヶ島の鬼たちは、身内みたいなものですから、ついつい言いたい放題を書いてしまいました。

「全員どこかに角を隠し持った鬼っ子・・」などと書きましたが、考えてみれば、鬼ヶ島の鬼たちに限ったことではありません。誰しもどこかに角を隠し持っているんじゃないでしょうか。

ファンサイトのホームページを作ってくれたありがたい読者とは、いわずと知れた灯台守様のことです。

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児童文学作家 末吉暁子の世界へようこそ!
公式HP「末吉暁子童話マップ」(01~16年)を元に、ちょびっとずつ公開。暁子さんの日記などは大体そのまま掲載しております。
猫とファンタジーを愛した作家の部屋へ、どうぞお立ち寄りくださいね~☆byりさ

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