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「新聞の力」

「新聞の力」

平成16年4月24日 
静岡新聞夕刊コラム「窓辺」第4回 

末吉暁子 



私が「窓辺」の執筆を喜んでお引き受けしたのは、斜陽産業といわれる出版界の、さらにマイナーな「子供の本」の現場から、小さな声でも何かを発信するいい機会だと思ったからだ。が、思いもかけず、たくさんの知人から励ましのメールや手紙をいただいた。

私を直接知っている方達だから格別の思い入れがあったのだろうし、他の執筆者が錚々たる顔ぶれだからという事もあるだろう。

しかし、それだけではない「新聞の存在感の大きさ」のようなものを励ましの中に感じ取った。

私は新聞を三紙購読している。新聞には面白い記事がたくさんころがっていて目が離せない。

特に社会面。事実を書いているだけなのに、抱腹絶倒する事もあれば、義憤にかられる事もある。童話の種にする事もある。だから、毎朝、丹念に目を通す。

このところの最大の関心事といえば、なんといっても、イラクで起きた日本人人質事件だ。もちろん、テレビは事件を伝えるのに威力を発揮したが、私はまた別の意味で新聞の力を感じた。

ニュースが流れた翌々日の未明、今度は、24時間後に人質を解放するという声明がテレビで速報された。日本中がほっとしただろうが、その段階では、まだ安否はわからない。

折悪しく、翌日の月曜日は新聞休刊日だった。テレビをつけても、ニュースの時間にならないと続報は聞けない。目隠しされたような気分になった。

こんなときに頼りになるのは新聞だと知らされたのが、休刊日だったからとは皮肉だった。

いろいろな情報が錯綜する中、ようやく人質は無事解放された。

よかった。まずは、最悪の事態が避けられたことを喜びたい。


~~~あとがき~~~

「窓辺」に連載が始まると、実際ずいぶんたくさんの方からお電話や手紙、メールをいただきました。

小学校の同窓生から、実に何十年ぶりかで、「窓辺」の執筆、おめでとう!とお電話をいただいたりもしました。

「おめでとう!」といわれたのは、娘の結婚式以来。雑誌に何か書いたりしたときには、ついぞなかった反応です。

新聞の存在感の大きさを実感したしだいですが、このホームページに転載してみると、別にどうということもない普通の記事です。

なるほど。新聞に署名記事を書くということは、世界の重大ニュースと同じ紙面に載るからこそ、意義があり、付加価値があったのでした。

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児童文学作家 末吉暁子の世界へようこそ!
公式HP「末吉暁子童話マップ」(01~16年)を元に、ちょびっとずつ公開。暁子さんの日記などは大体そのまま掲載しております。
猫とファンタジーを愛した作家の部屋へ、どうぞお立ち寄りくださいね~☆byりさ

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