Entries

ファンタジーを子どもに ②

ファンタジーを子どもに ②
1999年12月3日 日本教育新聞 


「雨ふり花とはどんな花でしょうか。」

ほたるぶくろのことです。

雨が多い時期によく咲くので、昔はこの花の咲くころに、餓死者が多く出るといわれていました。

『雨ふり花さいた』の物語は、座敷わらしの茶茶丸と、都会っ子のユカがタイムスリップをして、飢饉の村で謎解きをするというもの。

たくさんの人が餓死し、うばすても行われたと言う野原に、この花は咲き乱れていました。

amefuri22.jpg
薄紫の「ホタルブクロ」、別名「雨ふり花」(遠野取材より)

「なぜファンタジーなのですか」
 
ファンタジーは、現実とまったく違う世界を再現してくれるものですが読者の予想を越えて、意外性をもたせようと思うと、やはりファンタジーに行きつきます。

しかし、まったく荒唐無稽なことを書くのではなく、読み終わった人が思わず周りを見まわして、座敷わらしを捜してくれるようであったら、本望です。
 
子供の頃、母親が寝しなにしてくれた物語を、胸を熱くして聞いた覚えがあります。

中でも、アンデルセンなどは、子供の頃読んで、残酷で恐い面もありながら、ふしぎな美しさに深く惹かれました。

amefuri03.jpg
現代も残る遠野近郊のわらぶき屋根の農家(遠野取材より)

「読み聞かせが大切ですね。」
 
大きくなってからのしつけだけではなく、小さいうちから読み聞かせをしてあげることは、やはり大事な情操教育につながると思います。
 
今の都会っ子は、暗闇もあまり経験しませんし、おばけを怖がったり、おびえたりすることもなくなっているでしょう。

豊かになって、食べ物が有り余って、飢えへの恐れもありません。

でも、人間は怖いものがあるからこそ謙虚になれるものです。

昔の不便さに戻れはしないけれど、まだ、できることはあると思います。

とくに寝る前の読み聞かせは、子どもの想像力を刺激して、就寝中の脳にもいい影響を与えるようですよ。

活字には他のメディアにはない魅力が、まだまだあります。

ファンタジーを子どもに ①

ファンタジーを子どもに ①
1999年12月3日 日本教育新聞
      


東に座敷わらしが出たと聞けば東に行き西に河童が出たと聞けば、西に 行く。

全国を取材し、神話や伝承からファンタジーを生み出す末吉暁子さん。

この度、座敷わらしと都会っ子の交流を描いた『雨ふり花 さいた』で小学館児童出版文化賞を受賞した。

NHKの人気教育番組「ざわざわ森のがんこちゃん」の作者でもある。

syou.jpg

「なぜ座敷わらしに興味を持ったのですか。」

もともとファンタジーが好きなのですが、ある時期から、日本の神話の中にファンタジーの材料が転がっていることに気づいて、目を向けました。

座敷わらしは、日本特有の妖怪ですが、人間の子どもの形をしているところがふしぎですよね。
 
意地悪をすれば仕返しをされますが、大事にすれば家を守ってくれる守り神の存在です。

東北地方で、飢饉のときに「間引き」された子どもの魂という説もあります。

家付きの妖精は、世界中に存在していて、オーストラリアのアボリジニーの間にも言い伝えられています。


amefuri.jpg

「取材はどちらへ?」
 
東北の遠野や、二戸など、うわさを聞けばどこへでも。

いまでも座敷わらしが住みついているという二戸の古い旅館にも行って泊まりました。
 
霊感は鈍い方ですが、深夜、部屋に一人でいるときに、気味の悪い体験をしました。

壁をガリガリ引っかくような音がして、みぞおちのあたりに刺しこまれるような恐怖感が。

恐ろしさに布団をかぶっていると、渡り廊下に突風が吹いて・・・。

「がんこちゃん」に拍手 

「がんこちゃん」に拍手 

じゃかるた新聞(2005年7月27日)


450x227drum-1.jpg

物語フェスティバル閉幕 

紙人形、人形、語りなど


インドネシアの子どもの日に合わせ、23日から中央ジャカルタ・パルメラのブンタラ・ブダヤ・ジャカルタで開かれていた物語フェスティバルが26日、四日間の日程を終え閉幕した。
 
24日には、童話作家の末吉暁子さんが、NHKで放映されている自身の脚本作「ざわざわ森のがんこちゃん─たまごの子もり」を夫の健さんとともにペープサート(紙人形劇)で演じた。
 
邦人主婦らのボランティアグループ「J2ネット」の谷口幹さんらが、インドネシア語訳を付けるなど全面的に協力。
 
公演では、卵が割れてがんこちゃんの弟ガンペーちゃんが生まれて来た瞬間、観客から拍手が起こるなど、集まった100人以上の子どもたちを魅了した。
 
すでにインドネシアで公演経験があり、インドネシアの人形劇チームを招へいするなど積極的に文化交流を行っているおはなしきゃらばんは、インドネシアの民話をアレンジした「まめじかカンチルの大冒険」の人形劇を披露。
 
子どもたちを巻き込んだステージが受け、怪物が登場すると泣き出す子どもが続出するなど、大きな盛り上がりを見せた。
 
会期中には、急きょ、一部の出演者の公演がキャンセルされ、スケジュールが変更されるハプニングも。

「がんこちゃん」を目当てに会場を訪れた日本人の親子が、公演予定の時間に来たのに公演がすでに終わっているなど、円滑な運営が次回の課題となった。
 
フェスティバルは、非政府組織(NGO)のインドネシア児童図書普及協会(KPBA)が主催、今回で6回目となるもの。
 
2、3年前にペープサートを始め、今回は初の海外公演となった末吉さんは 「機会があれば、今度は日本人学校などでもやってみたい」と語り、今後の公演に意欲を見せた。

「がんこちゃん」の末吉さんが来イ

「がんこちゃん」の末吉さんが来イ
 
じゃかるた新聞(2005年7月19日)



450x300-23.jpg

物語フェス、23日から


23日のインドネシアの子どもの日を記念し、物語フェスティバル(Festival Mendongeng Ke6)が23~26日、中央ジャカルタ・パルメラのブンタラ・ブダヤ・ジャカルタ(Jl.Palmerah Selatan No.17)で開かれる。

非政府組織(NGO)のインドネシア児童図書普及協会(KPBA)が主催。

今回で六回目となる物語フェスティバルでは、NHKで放映されている「ざわざわ森のがんこちゃん」の脚本などで知られる童話作家の末吉暁子さんのほか、海外から作家や児童文学関係者がインドネシアやそれぞれの国の童話、民話を人形劇や紙芝居などで紹介する。

インドネシアからは俳優、ジャーナリストなど多彩な顔を持つワヤンのダラン、スジウォ・テジョさんが南スラウェシやジャワの民話を演じるほか、日本人男性を夫に持つミヒラさんが紙芝居でインドネシアやベトナムの民話を紹介。

地震と津波の大被害に遭ったアチェを含めたインドネシア各地の子どもたちも参加する。

末吉さんは日本語で「ざわざわ森のがんこちゃん―たまごの子もり」「ぞくぞく村のちびっ子おばけグー・スー・ピー」をペープサート(紙人形劇)で演じる。

また、愛・地球博(愛知万博)で公演を終えたばかりのおはなしきゃらばんも参加、インドネシアの民話をアレンジした「まめじかカンチルの大冒険」の人形劇を披露する。


■日本人客も大歓迎

KPBA代表のムルティ・ブナンタさんは、十八年前に設立した協会の活動を通じ、子ども向け図書の普及に努めてきた。

インドネシア大で教鞭を執る傍ら、三十冊以上の子ども向けの書籍を執筆。

物語フェスティバルを二年ごとに開催しているほか、子ども向けの読み語りの活動などを行っている。

ボランティアベースの活動には、日本人の主婦なども参加しており、ムルティさんは「フェスティバルも多くの日本人に観てほしい」と語っている。

ジャカルタの「子どもの本祭り」

ジャカルタの「子どもの本祭り」

大法輪2005年9月号   
末吉暁子(作家)


この七月にインドネシアのジャカルタで開かれる「国際子どもの本祭り」に参加することになった。

自分の童話作品を、ペープサートという紙人形劇にして上演する予定だ。


最近、国内でもときどき上演したことはあるが、子供達は、本でおなじみのキャラクターの紙人形が動くさまを、目を輝かせて見てくれる。

それがうれしくて、こちらもついついしゃしゃり出て行く気分になるのである。


日本で上演するときは、かかわりのある周囲の人たちを巻き込んでお手伝いしてもらうので、何とかうまく行っていた。


しかし、今度はインドネシアである。

そうそうボランティアが同行してくれるはずもない。

たまたま同行することになった夫をかり出すほかはない。

さらなる問題は、インドネシア語の通訳を介さなくてはならないことだ。

幸い、これは、現地にいる日本人ボランティアが買って出てくれた。

しかし、現地に行ってリハーサルをして見るまでは、どんなことになるのか、見当もつかない。


もともとこのイベント、スマトラ沖の地震で大きな被害をこうむったアチェ州で行う予定だったらしい。

だが、現地の復興は思わしくなく、開催のめどが立たなくなっていた。


そこへ世界中から援助の手が差し伸べられ、場所を変えてジャカルタで行うことになったのだそうだ。

日本からもいくばくかの寄付金が届けられたと聞くし、日本だけでなくアメリカやシンガポールなどの近隣諸国からも、さまざまな形で公演への参加があるという。

私も、主催者が知り合いのインドネシアの女性だったので、何か応援できることはないだろうかと申し出たのが発端だったのだが、いざ日程が近づいてみると、いろいろ準備も大変だ。

事実、こんなことをしていないで、机に向かっていればいいのに・・と、しらけた目で見ているもう一人の自分がいるのにも気づいている。

目を輝かせて見入ってくれた日本の子供達と同じように、インドネシアの子供達が喜んでくれれば、そんな危惧も吹っ飛んでしまうのだが・・。

Extra

プロフィール

catonbooks

Author:catonbooks
児童文学作家 末吉暁子の世界へようこそ!
公式HP「末吉暁子童話マップ」(01~16年)を元に、ちょびっとずつ公開。暁子さんの日記などは大体そのまま掲載しております。
猫とファンタジーを愛した作家の部屋へ、どうぞお立ち寄りくださいね~☆byりさ

アクセスカウンター

最新記事

カレンダー

09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

最新コメント

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: